昨日は嘱託警察犬の全道大会。画像のように、好天に恵まれ、素晴らしい会場で、日ごろのトレーニングの真価が問われる競技会でした。 私はこの10年間、務めた警察犬の会の会長としての最後のお手伝いをさせていただきながら、ほとんどすべての犬の追及作業を見ることが出来ました。そして、色々と思うところがありました。
追及の原点。「人が分からないから犬を使う」私が考える追及の出発点です。
犬の後を追従しながら、(ヨシヨシ)と絶えず声をかける。常に、あるいは迷ったとき、人の顔色を見る。 何故、犬に、犬自身に「仕事」をさせてやらないのか?追及は犬がする仕事です。犬は完全に、指導手から独立しているべきです。指導手を引きずってでも、臭気を追って欲しい。
では逆に、追及の行きつく先はどこでしょう?例えば、自らの家族が行方不明になった時、自分の訓練した犬が使えるか、これが追及の行きつく先だと私は考えています。 訓練競技会で優勝することも魅力的ですが、上記の方が大切だと私は考えています。だから、印跡してから何時間もたってから追及を始めます。1000歩でも2000歩でも印跡します。競技会や審査会でやるからというので、この広い北海道で、5歩進んだら曲がる、10歩進んだら曲がるコース。あるいは、少しでも臭線から逸れたら修正し、それによって自信を無くしている犬たち。それが昨日のコースでは見事に浮かび上がっていました。
屈折で必ず逆を探す犬。それがなぜかを考えて欲しい。必ず逆を探すからには、犬には、すでに分かっているのです。昨日は、多くの犬が逆を探していました。この答えを見つけない限り進歩はありません。
追及は確認作業です。100歩の足跡に対しては、100個の確認が必要です。 正確な確認作業を犬に教えてください。そのためには、ヤードは必須です。
犬に仕事を預けてください。預けない限り、責任は生まれません。 ヤードをつけることとヤードを放すことです。