ナナ

ナナ
ちび公とナナ

 ちび公が来たときナナは4才ぐらいでした。 ナナはバグでいつも太っていたのでナナプタ、ナナプタ”と呼ばれていました。
 ちび公とナナはいつも一緒のオリでした。 ちび公にとってナナは始め母親でそのうち友達で、 やがてしばしば奥さんでした(^;) でもナナ自身、母親になる事はありませんでしたー^)

 ナナも冬はちび公を重宝していました。. 毛深いちび公は寒がりのナナにとって絶好の湯たんぽだったのです。 ちび公は何処にでも連れて行ってもらえますが、ナナはいつも留守番です。 それでもグループでキャンプするときは、愛敬があるので連れていってやります。 ナナはみんなから焼き肉がもらえます。 ナナにとってこんな幸せはありませんでした。

 支笏湖に行ったとき、はじめて水にいれてやりました。 沈んだら大変とナナは必死で顔をあげます。 犬は上に向かって泳ぐと溺れます。 岸からちび公が迎えにきます。 ナナは更にあせります。 手を添えて前へ泳ぐよう助けます。 やっとの思いで岸にたどりつきます。 ちび公の歓迎を受けます。

 ナナは2回もらわれて行きましたが2回とも返されました。 ナナが帰ってくるとちび公は大喜びです。 3回目に話があったとき私は迷いました。 今度の人は本当にナナを可愛がってくれそうでした。 ナナは暖かい部屋で暮らせて幸せになるかも知れません。 年老いたナナには暖かいのがなによりです。 しかし又返されるかも知れません。 2回返された事が私の心に引っかかっていました。 ちび公も寂しがります。 迷った末断りました。

 ナナはその年の秋に亡くなりました。

  U人

このエントリーをはてなブックマークに追加

Leave a Reply

Your email address will not be published. Required fields are marked *