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GPSと救助犬 2005

2005年10月30日 千歳市郊外
主催 北海道ボランティアドッグの会
協力 北海道エコ・コミュニケーション専門学校 ドッグトレーナー科

懸念された雨もほとんど降らず、南へ渡る白鳥の群れの下、2005年の原野の救助犬試験を行いました。
参加頭数19頭うち14頭が新規受験の犬でした。
捜索範囲は以下にあるように、狭い区域で24ha、広い所では37haもありました。
制限時間は3時間です。

白鳥の渡り

朝のミーティング
今年の北海道は暖かく、キノコ取りの人もまだかなり出ているようでした。シカの足跡は多数ありましたが、鹿に混じって熊の足跡もありました。熊の足跡は古く、キノコ取りが多数入っているので、いる心配はありませんでした。

ミーティング説明
試験のテーマは、捜索能力が第1のテーマですが、自分自身と犬の安全管理、サポーターの安全管理です。捜索者自身が行方不明になったり、犬が事故にあったりしないようにすること一番です。ハンドラーには、GPSの操作をマスターしたサポーターを一人ずつつけました。ハンドラーはこのサポーターを伴い、GPSに予めインプットしてある自分の受け持ち区域をGPSが示す自分自身の軌跡をもとに捜索経路を決め、系統立てた捜索を行なうことになります。

朝のミーティング、参加者、役員、サポーター、ヘルパー
今回の参加者は全員、それなりの犬であれば反応できた位置までヘルパーに接近しています。捜索の詳細については、GPSが記録したデータを元に、ムービーを添付しましたので参考にしてください。例によって、ハンドラー自身のコメント、ヘルパーとサポーターのコメントを添付しました。(ただし、11月9日現在、コメントはまだ集まっていません。集まり次第、追加していきます)

関東から参加の高野さん 終了時の挨拶

審査員長 山田先生の終了時の挨拶

個々の作業の詳細についてはハンドラー名をクリックしてください。

チーム名作業開始時間終了時間作業時間捜索距離(m)面積(ha)
エリア11村木マーブル9:2212:162:53:59456524.3未発見不合格
2高野ベンケイ12:5614:582:01:45370924.3未発見不合格
エリア21関ジェシー9:2612:052:39:04442927.1未発見不合格
エリア31上田ウリエル9:1512:052:49:42631728.8未発見不合格
エリア41葛西ソラ9:3211:332:01:01561726.7発見合格
エリア51小林リック9:2110:160:54:47207625.7発見合格
2山美3号10:4313:543:11:28664625.7未発見不合格
エリア61大沢ジャック9:059:570:51:23252927.7発見合格
2上林オハギ10:1513:042:48:54495627.7発見合格
エリア71高野トキ・カズ9:2711:131:46:36275727.1発見合格
2大沢ホリー11:5714:452:48:34533127.1未発見不合格
エリア81中谷ヴレス9:4711:131:26:01374127.2発見合格
2小林オグリ12:0314:322:28:58678727.2未発見不合格
エリア91大庭モンジュ9:1712:483:30:41728837.2未発見不合格
2安田ボウ12:4815:573:08:46629137.2未発見不合格
エリア101沖レイラ9:1110:571:45:39484233.1発見合格
2田野岡ジュディ11:1712:010:43:30179933.1発見合格
エリア111田中ミミ9:2712:052:57:40757033.9未発見不合格

待機中の参加者
その他 参考資料
全体図
ヘルパーの配置

GPSと救助犬 2004

2004年度、秋の救助犬試験のレポートです。今年は10月31日、昨年と同じ千歳市の郊外で行ないました。今年の参加者は12名、ヘルパーは10名、サポーターは12名でした。審査は救助犬富山の山田先生、総合的なマネジメントは私柳生が行ないました。(詳細は案内書を添付します)

先ずエリアですが、昨年より参加者が大幅に減ったにもかかわらず、捜索エリアは広くしました。昨年の実績から、それなりの能力を持った犬なら、ハンドラーが系統立てた捜索さえすれば探しだせる事を予想したからです。結果はどうだったでしょうか?

捜索エリア

1・エリアの全貌です。

捜索結果

2・結果

最後に10のエリアだけ、ヘルパーが未発見で残りました。ここは広いので三つに分割し、比較的、ラクにヘルパーを見つけた3チームに捜索に当たらせました。結果、見事に短時間で発見しました。これは、個々の捜索ユニットのエリアを決めるマネジメントの部分で、より実戦的な試験が出来たと思います。2004年の4月に、実際の行方不明者の捜索にあたり、エリアを分割し、それぞれのエリアをつぶしながら、捜索作業を進めました。その手法と同じで、試験も実際の捜索とほぼ同じ対応が出来ることがわかりました。

3・試験の準備 用意するもの

秋の救助犬の装備    
     
本部用    
炭火バサミ 炭は1表でよい
ドラム缶の半切り    
金網    
?不要?  
ヤカン もう一つ欲しかった
ポリカン大1小1
テーブル 3  
イス 10  
テント ハイテク2機
テントの押さえ 杭・ロープ  
     
サポーター・ヘルパー用    
食料品    
お餅 お昼用 3袋でよい
カップラーメン お昼用 人数分
生徒朝食 菓子パン 人数分かける2
ヘルパー昼食 菓子パン 人数分かける2
     
ヘルパー用    
ブルーシート ヘルパーの人数分用意した
荷造り用のシート    
カモネット 10  
カッパ 必要  
     
連絡用    
生徒の携帯の番号 予め必要  
参加者の携帯の番号 予め必要  
無線機 ハンディ2  
  モービル2  

このほかに、ハンドラー用のGPSとリュック、本部用のGPSなどを用意しました。

GPSを使って、救助犬試験をするためには、次の作業が必要です。
1 会場を見つける
2 エリアを決める:これは、実際に現場に行き、GPSでログを取りながら、一つ一つのエリアを確認します。林や藪の程度、道路の状況など、現場に行かないと正確なことはわかりません。また、ヘルパーの隠し場所もある程度の見当をつけておきます。3 エリアの確認:GPSからログを引き出し、25000分の1の地形図で確認します。それぞれのエリアの広さなどを調整します。
4 エリアが決まったら、そのエリアを囲むようにルートを作ります。今回は10個のエリアを作りました。そして、このエリアを一つずつそれぞれ別のGPSに転送しますが、その前にこのエリアに付属するウェイポイントの番号をGPSで見やすいように二桁にしておきます。

それぞれのGPSは、電池を入れ替え、それまでのデータは全て消しておきます。現在、会では10個のGPSがありますので、作るエリアは10個が妥当です。

以後は、試験当日の作業になります。
5 GPSでログをとりながら、ヘルパーを配置します。この作業はかなり時間がかかります。このヘルパーの位置が、後でハンドラーの捜索を解析していくポイントになります。

4・マネジメントその他:今回もヘルパーの配置、救助犬とハンドラー、およびそのチームのサポーターの派遣、回収。ヘルパーの回収などでマネジメントは大変でした。実際の捜索に当たっても、エリアの決定などをはじめ、マネジメントは大変重要になってきます。今回は、私が担当しましたが、これを専門に見る人が必要だと思います。

 今回、ヘルパーの装備にカモネットを加えました。カモフラージュのネットで、従来のブルーシートに比べて格段に視認性が弱くなっています。

5 合否:

エリア   外周 面積 捜索時間(分) 捜索距離(m) 捜索の速度(時速) 合否
1 平野ジョー 2,150 27.1 126 5,124 2.44 合格
2 葛西ソラ 2,297 27.1 69 2,690 2.34 合格
3 浜川リン 2,038 24.9 69 3,416 2.97 合格
4 太田カズオ 2,229 27.1 135 4,283 1.90 合格
5 菊地ポン 2,351 18.2 35 2,173 3.73 合格
6 藤倉パラ 1,810 19.8 55 2,303 2.51 合格
7 沖レイラ 1,669 18.1 145 5,342 2.21 不合格
8 大沢ジャック 2,230 20.6 78 4,000 3.08 合格
9 合浦ジェシー 2,854 33.5 110 4,466 2.44 不合格
10 中谷ブレス 2,742 37.2 175 10,009 3.43 不合格
2-2 田中シェパ 2,297 27.1 15 604 2.42 合格
6-2 高野ジュディ 1,810 19.8 44 1,593 2.17 合格
10-1 藤倉パラ 1,250 9.3        
10-2 菊地ポン 1,383 11.8 28 1,164 2.49  
10-3 田中シェパ 1,616 16.1        
               
  のべ 30,726 338 1,084 47,167 2.61  

付録:レポート

1・岩渕 千里 
10月31日朝6時学校出発→千歳の会場へ。
7時頃ヘルパー移動。9時捜索開始!
私は平野&ジョーのアシスタントとして参加させていただきました。私の格好はスニーカー、下がウィンドブレーカーに下がトレーナーでした。後に長靴にしておけばと後悔・・・。
捜索エリアに着いてすぐに問題発生!平野さんはエリア2を探すはずが、GPSにはエリア1が入っていました。平野さんはすぐに柳生先生に連絡しましたが、つながらず、結局エリア1を捜索する事になりました。エリアに入って平野さんは、ジョーからリードを外し捜索を始めました。
木がたくさん倒れていて足場は最悪の状態、ついていくのもやっとでした。私が少し遅れると平野さんは立ち止まって待ってくれたり、しました。(完全に足手まとい・・・)途中ジョーが匂いをキャッチして鼻を高く上げ確認していましたが、まだわからないのでとりあえずエリア内を全部探す事にしました。と、ここで休憩、平野さんはジョーの足を見てケガなどしていないか確認していました。少し休憩したところで捜索開始。ジョーは疲れた様子も見せずに元気に走り回っていました。けわしい道、道のない所を前に進み人の入れそうにないところまできたとき平野さん:「こんなところ探したくない」と言って違う方向へ。残り時間も少なくなってきて、もう見つけられないかもと思った瞬間ジョーは前に向かって走っていきました。と「ワン!」とジョーの声、小さい声で平野さん:「みつけた!」本当に嬉しくて思わず平野さんとハイタッチしてしまいました。ジョーに近づいていくとそこにいたのは、ヘルパーの福島達郎君でした。平野さんはボールを取り出し達郎に「ジョーにあげて」と渡しました。ボールをとったジョーは嬉しそうにいつまでも走り回っていました。
スタート地点に戻り、迎えにきちもらい、本部に戻りました。
そこにはすでに捜索から帰ってきた参加者や手伝いで行ったドッグの友達がたくさんいました。少しして、まだ1人見つかってないという事で、我らドッグの先輩!私たちの尊敬している。藤倉&パラ・菊池&ポン・田中&シェパ登場!!1つのエリアを3分割して捜索しに行きました。早く見つかればいいなぁ↓と思っていた矢先雨が降ってきて最悪な状況に・・・。
と柳生先生の携帯が鳴りました!電話の相手はキックポンでした。ちなみにヘルパーは黒川諒です。
こんな感じで救助犬の試験は終わりました。
今回アシスタントとして役に立つ事は何も出来ませんでしたが、間近で試験を見れてとても勉強になりました。来年の救助犬の試験には愛犬の「KREVA」と、ともに参加出来るよう先輩たちを見習いたいと思います。

2・山美希実 
私は、今回の救助犬の試験で大沢さんという方のサポーターとして参加しました。GPSの使い方も全然わからなくて不安だらけでした。捜索エリアについてから犬のリードをはずし、犬が自由に動きまわっていました。最初はハシャいでいるようでした。エリアを一周してから、ジグザグに探していきました。

犬は、時々、においに反応して、いなくなる事がありましたが1時間くらいするとだんだん犬も疲れてきました。台風の影響で木が倒れていたりして足場は、悪かったです。犬も木や草にひっかけたのか、鼻や舌から血が出てました。

なかなか見つからない、見つけれなかったらどうしよーっと思いはじめた時、今まで疲れていた犬がいきなり匂いをかぎつけて、どこかへ行ってしまったと思いきや、「ワンワン」と吠え声がきこえ、急いで行くと見事に見つけてくれました!!時間はだいたい1時間半くらいでした。ほんとうに見つけてしまうとは!感動でした。

ヘルパーの人は最初に通ったルートに以外に近いとこにいて、もっと早く見つけれたかもしれない、と思いました。でもヘルパーの人がホっとする顔を見てとりあえず見つけれてよかったと思いました。歩くのは大変だったけどまた機会があれば参加したいと思います。

3・黒川 諒 
・見つかるまでの状況
・木の葉の音が足音に聞こえ、見つかるかもと思う。
・遠くで犬の吠えた声が聞こえ、1~2時間後位に「バキバキッ」と足音を確認。少しずつ近づいて来る。「見つかるっ!」と思ったその時、犬と人が前を通り過ぎていった。その後、人の声が聞こえ一緒に消えていった・・・。

他の人が見つかっていくなか、自分は人の気配すら感じられなかった。12時半を過ぎたくらいに、3人で自分を探しにくると情報が入る。どうやら自分が最後らしい。しばらくすると雨が降ってきた。これはまずい!まずいと思いつつも3人も来るのだから早く見つかると思い現状維持。しかし、待てども待てども変化がない。雨も強くなってきたのでブルーシートの中へ避難。これではリアルに遭難だ。なんとなく遭難者の気持ちを味わう。

なにやら足をつつかれてる気がする。すると突然眼の前に犬が現れる。ポンだ!そして吠えた。更にキクチさんも現れた。助かった・・・。その時、ポンとキクチさんが神様に見えた。最後に探してくれた方々、ありがとうございました。

4・菊池 祥弘 
9時に試験が開始された。出場する人たちと車でエリアに向かった。GPSの使い方が全くわからず教えてもらった。使い方がようやくわかり、車から降りエリア5に向かった。少し行き過ぎたので戻り入り口に到着。風を見て風上だったので、もうひとつの入り口から入ることにした。しかし風がまた変わっていたが、しかたないと思いそこから入った。奥から入り口にかけて探そうと思いしばらく道なりに歩いた。奥の方までいき、だいたいこの辺から思いじぐざぐに進んだ。最初は犬が慣れるまでリードをつけていった。高いやぶばかりでなかなか前に進めなかった。あまりにも木が多すぎて、ここにはいないだろうと判断し一度道にでた。ここでリードを離した。少し歩き真ん中らへんから入り探した。中々見つからずまた道にでた。しばらく道なりに歩くと反応し吠えさせていかせた。かなり遠かったが吠えた。時間は1時間だった。去年はヘルパー今年はハンドラーと非常に貴重な経験でした。

5・上林 準 
菊池・ポンペアに発見されました。最初隠れるときは、草がたくさんあってブルーシートを引くのが大変でした。横になって隠れてたら、遠くの方で犬が草をかきわける音がして十分後ぐらいして背中のほうからポンが来て、周りを回りながら匂いをかがれて、そのあと顔をニ~三回ひっかかれて、ポンが吠え始めて、ハンドラーが来るまで、ずっと吠えていました。

6・中島 直哉 
本日の天気 曇りのち雨 意外と温かい 風微風
☆見つかるまでの状況
人の気配を感じなかった。あまりにも暇なのでプチプチを丸めて枕にし寝ることにした。原野の木々に囲まれなかなか快適な睡眠をとることができた。(マイナスイオンが出ていた)ふと目がさめてメールを開始する。その時!

☆見つかった時の状況
11時37分 遠くでバキバキと言う音が聞こえてくる。
11時40分 自分から3~5mぐらい離れたところで一週回る。
11時43分 やっと犬が来た。
11時44分 犬が吠えた。
11時45分 救助された。(人に先に見つかってた様な気がする・・・)

終わった後に吠えろの練習をしていた。最後から2番目に見つかったらしい。ギリギリみんなとカップ麺を食べることができた。見つかってからしばらくして雨が降ってきた。雨が降る前に見つかってよかった。まだ一人見つかっていないらしい、可愛そうに・・・。

7・佐々木 盛男 
一回目に見つかったときの状況
捜索開始から一時間ぐらいたってから、藤倉先輩の声が聞こえその後、パラが反応し発見され吠えられました。パラが先に発見し数回吠えて、ハンドラーに教えてました。

二回目に見つかったときの状況
寝ていたのでよくわからないが、たぶん十一時ぐらいに見つかった。高野先輩・ジュディー・村木ペアでした。気がつけば発見されてました。犬にはリードをつけてました。確か吠えませんでした。

8・加藤 涼輔 
サポーター
第一回
田中・シェパのサポートをやりました。一回目は風向きを調べ進みました。14分位の所でシェパが反応しました。そして、ヘルパーを発見しました。

第二回
中谷大輔さんの現場で発見されなかったヘルパーを探すために藤倉・パラ、菊池・ポン、田中・シェパで現場を三分割して、探したら菊池・ポンの所にヘルパーを発見したので、我々の田中・シェパの所では、発見できませんでした。

9・坂出 優 
葛西・ソラのサポーターをやりました。
10月31日 天気 曇りのち雨
午前九時頃に捜索を開始した、現場まで車で10分ぐらいだった。まずエリアの一番端っこに行きエリアの端に沿って歩いていった。台風が過ぎた後だったので木がかなり倒れていて、歩くのもかなり困難だった。ソラのリードを外し、広く捜索していた。ソラが疲れたと感じたときにリードを付け飲み物を与え休憩した。最初は細かく往復して捜索していたが、細かすぎると考え少し往復の幅を広げ捜索した。

一時間半ぐらいして、ソラが急に走り出し木がたくさん倒れている陰で吠え出した。30mぐらいで先で発見した。遠くから見ても全然気づかなかった。寒いと思いかなりの厚着をしていた。歩いているうちに体が暖まってきて厚着をしたのは失敗だと思った。サポーターはかなり疲れました。しかし、探し方や犬の扱いなどたくさん勉強になりました。機会があれば自分でハンドラーとして捜索してみたいと思いました。

10・山口 善幸 
中谷・ジェシーのエリアのヘルパーをしました。
10月31日救助犬資格試験
7時30分頃配置につきました。天気は曇っていたけれど、寒くはなかったです。僕の隠れた所は周りに木が生い茂っていて周りからはあまり見えない所でした。風が結構あったので、いろいろな所から葉がカサカサと音をたてていて非常に紛らわしかったです。

隠れ始めてから3時間ぐらいたったときに人と犬の近づく音が聞こえそろそろ見つかると思ったが、その時には見つからずに通り過ぎていきました。それから5分後ぐらいに、突然遠くから名前を呼ぶ声が聞こえました。柳生先生に「やまぐちー」っと呼ばれ、試験中に出ていいのかと思い少しの間黙って待機してました。

しかし、その時柳生先生が再び「やまぐちー」っと名前を呼ばれ、何事かと思い慌てて返事をして、飛び出したら、そこで引き返してきたハンドラーの中谷先生に発見されてしまい慌てて隠れたが時すでに遅し。そのあとついでにジェシーの練習で再び隠れた自分を見つけて吠える練習をしました。これで試験は終了しました。長い間隠れていましたが、結果がこのようなことになってしまい残念でした。

11・関 公慈  大沢
・ジャックのヘルパー
朝は7時40分頃から隠れ始めました。当日は雲行きが怪しく天候があまりよくなかったので、犬にも悪影響が出るのではないかと思いましたが、その後の天候は幸い悪くなることはなく無事開始されました。正確な時間はわかりませんが1時間後くらいに周辺でカサカサという音がしましたが発見には至りませんでした。

その後何の音もなく時間は過ぎていきました。開始2時間半くらいでまた周辺から人の声らしき物音が聞こえてきました、その直後茂みの奥から何かくるような感じがしました。よく見ると黒い何かがこちらに向かってくるのがわかりました、やはり思ったとおり黒ラブが見えてきました。ハンドラー大沢氏のジャックでした近づいて自分の周辺をとにかく匂いをかぎ回りその直後3回鳴きハンドラーとサポーターが到着し無事救出されました。

12・高野絵里奈 
 10月31日火曜日、千歳で救助犬の試験が行われました。去年も同じ場所でアシスタントとして参加しましたが、今回は自分がハンドラーとして出場しました。出場頭数は12と、去年よりだいぶ少なかったです。天候は曇り、風も弱めでした。

 9:00頃、第一陣がそれぞれ出発し、私は第二陣だったので会場で待機していました。最初に発見したと言う連絡が入ったのは創作開始から1時間程経った頃でした。発見した地点へハンドラーとアシスタントを回収に行く車に私も乗り、交代でそのエリアに入る事になりました。私の捜索するエリアは6です。ジュディを車から降ろし、アシスタントの子にGPSを持ってもらい、いよいよスタートです。

 風は殆ど無く、どう探していこうかと迷いましたが、かすかに正面から風が吹いていたので それに垂直に歩いて行きました。背の高い草が多く、歩くのが大変でした。ジュディのリードも外さずに歩いていたので 途中何度も草に絡まってしまいました。真っ直ぐ進んで行って折り返そうと思った時、風向きが変わっている事に気がつきました。折り返して進むと追い風になってしまうと思いましたが、風は微弱で無風に近かった為 そのまま進んでも差ほど支障は無いと思い、草の中を歩いて行きました。現地点をしっかり見ておきたかったので、途中でアシスタントの子からGPSを受け取りました。 ジュディはまだ特別反応はしていません。時々上に鼻をあげますが、匂いをキャッチしたという様子ではないので、どんどん進みました。人も犬も進むのが大変で、少し開けた場所が見えてくると 草地から早く出ようとジュディは足早になり、我先に!…と言う感じで引っ張って飛び出して行きます。落葉樹の林に入ったくらいから、ジュディはチラッと横を気にするように見ましたが、もう少しはっきりと反応をしてから放そうと思い、歩いて行きました。ジグザグに進み、一、ニ度折り返し、また茂みを早く抜けようと走るジュディ。広い場所に出て前方の草の密集したところに入って少し歩いた時、ジュディが急ぎ足になりました。草の茂っている所だったので また開けた場所を目指して入るのかと最初は思いましたが、これは反応しているんだとわかり、呼ぼうとしましたが、少し進み ぱっと横に曲がったかと思うと、既にヘルパーを発見していました。しかしヘルパーはうずくまってはいず、普通に座った状態だったので、ジュディは喜び尾を振っていました。少し待ちましたが吠えないので、呼んでホエロをさせました。

 今回の捜索は結果としてはヘルパーを見つける事ができましたが、ハンドラーが未熟な為 犬の反応を素早く読み取る事が出来ず、また、発見時にちゃんと吠えさせられなかった事がとても残念です。救助犬の練習は何度かしましたが、その時からジュディの反応を正確には読み取れずにいました。ジュディは何回か探させて発見できないと やる気と集中力が落ちてしまうので、本番放す回数はなるべく少なくしようと考えていました。しかし 自分が慎重になり過ぎたことによりタイミングを逃してしまったので、今回の失敗を反省し、経験を積んで、判断や技術を身につけていきたいと思いました

13・藤倉 佑也  「救助犬認定試験に対す記録的レポート」
エコ・コミュニケーション専門学校 ドッグトレーナーコース2年藤倉佑也 愛犬 パラ 黒ラブ 1歳7ヶ月 オス

第一章 下準備開始!!
朝は早かった。5時起きだ。外はまだ暗い。5時30分、U人にて犬だし&準備。モチベーション上中!!6時30分、千歳の会場に到着。すぐさま本部をセッティング。周りは山林。ちなみに昨年と同じ場所であり、僕はヘルパーとして参加していた。今年は捜す立場。さらにテンションUP!天候は、ズバリ曇りのち晴れ。雨が降らなければよし!手伝いで一年生が7時に到着。会場に人気も増えイイ雰囲気に!会場は整った。捜索エリアが計10エリア。それと並びヘルパーも10名、各エリアに身を潜ませた。(ちなみに参加者は田中さんのレポートを参照していただきたい。)ミーティングも終わり、僕はエリア5。アシスタントに笑顔が可愛い1年生の萌ちゃん。GPSは任せた!さぁー食料も持った!車に乗り込み捜索エリアへ。。。いざ、参らん!!!!!

第2章 捜索初期衝動!!
藤倉、パラの初の捜索。僕らのヤル気は十分だ。目的地に到着、車は行ってしまった。。。何だか不安に。しかし僕らは勇気をだし信じることを拳と嗅覚とGPSに誓った!スタート前、パラに意識付けをさせるために基本練習を1回行った。これで大丈夫。風はあまりなく無風に近い。林の中は木々達がしっかり根づいており、僕らの行く手を阻む。

なるべく歩きやすい場所を選び捜索。周りを見渡すが全くヘルパーを目で見つけることは不可能に近い。やはりパラの嗅覚に頼るしかないのだ。僕らは三位一体となり前進を施した。捜索15分。パラが反応したように思いパラを開放。いつもの如く走り回る、と、同時にパラの体力が奪われていく。10分後、再びリードを装着。先の安否を考えこれ以上放しておくわけにはいかない。結局この周辺には居なかった。。。それからさらに歩き続けこのまま捜索していては時間が足りない。さらなはパラの集中力のことも考え、ある作戦に出だ。範囲が広いためヘルパーが遭難してそうな場所を測定し、さらにはエリアを半分に分け捜索に躍り出た。そして、まさかこの作戦が僕らの明暗をわけることになるとは・・・。

第3章 心の絆
それからまた進み険しい道を幾度なく越える。リードは木に絡まり困難を極めた。パラの体力のこともあり、なかなか放すことが出来ずにいた僕だが、ここでパラを放す決断にでた。と、同時にフルに時間は使えない。(9時~12時まで)前半勝負でいくしかないと思った。それからもパラや周りやGPSを気にしながら進む。パラもいつしか走り回ることを止め僕の周辺で地面を嗅ぎながら進んでいた。その姿は正に任務を遂行している姿だった!!遭難者を捜すとゆう自覚と責任を知らずうちにパラは身につけていたのだ!!逞しすぎるぜっ!パラッ!!そんな2人の仲はいつしか目には見えぬ『心の絆』で結ばれていた...。

最終章 奇跡という名の実力
そんなことも想いながら見落としがないかしっかりチェックしながら進んでいた。と、その時!!パラが素晴らしい反応を示した!それは正に釣竿に魚がかかった時の瞬間のようだった!!一瞬の反応、それを見逃さなかった。「捜せ」と命じ、パラは一目散に走って行った。「ワンッ!」と一発目の声が聞こえた!やったかパラ!?内心はドキドキ、しかしパラを追うこの二本の足は今までになく軽快だった。「ワンワンワンッ!!!」と同時にヘルパーの姿がこの目にはっきりと映った。

「やった!パラが見つけたっ!すごいぞパラッ!!!」感動した! 写真も撮った! 完全に舞い上がっていた。すかさず本部に連絡。それは僅か1時間4分の捜索だった。その後余韻に浸りながら本部へと戻り皆の安否を気にしながら昼を過ごしていた。会話が弾む。その後のことは田中さんのレポートを参照していただければおわかりになられると思います。さて、そんなこんなな今回の「救助犬認定試験」の参加にあたり日々の練習、犬の習性、風向きなど様々なことを学びそれが本番で活かされ結果に繋がったのだと思います。良き体験ができU人ドッグスクールの皆様を始めエコ・コミュニケーション専門学校の生徒達に感謝の気持ちとともに、厚く御礼を申し上げます。ありがとうございました!!!『聞くは一瞬の恥 聞かぬは一生の恥』人との出会いを大切に。です。

13・太田ゆかり
  10月31日朝9時より捜索開始。車でエリア③の所まで行き、間を通ってエリア④まで歩いた。まず、風下からフェンスに沿って外周を歩こうと、歩きづらい草むらの中を進んだ。カズオに反応はない。そして、奥のポイントを目指したが、なかなか辿り着けずあたふた。40分くらいのロスがあったようだ。かなり焦った。そこから少し間隔をあけて、来た道に平行になるように最初の位置の手前まで戻り、その繰り返しで行こうと考えた。

しばらく歩くと、カズオに反応があり、放すが全く吠える様子がうかがえず呼び戻す。今思えば、きのこ採りの人に反応していたのではないだろうか・・・かなりの距離があったように感じる。その位置から奥に歩き、エリアの端まで行き、歩いてきた道になるべく平行になるように歩いた。その途中反応があり放すも、その後をついていくとなんだか人の声がしてきたので、カズオを呼び戻す。あれはきのこ採りの人だったに違いない。残念。

カズオにも疲れが見え始めたため、少々焦ったが、どうにもできずそのまま捜索。それからまた進み、間隔をあけて戻る。台風のせいか木がたくさん倒れており、かなり歩きづらく、少しずつ道をそれていったが、風向きも変わっていたのでそのまま横にそれて捜索することにした。

また間隔をあけて進む。少し歩くとカズオに反応あり。放すが、疲れているためか勢いよく走って行くことがなかったので後を行って一緒に歩いた。明らかに臭いをキャッチし、前に進んでいる。カズオについていき、しばらくして放すと走ってまっすぐ行った。止まって待ってるとカズオが吠えたので走ってカズオのもとへ・・・無事ヘルパーを発見することができました!!

風もそんなになく、しかもよく変わったので大変だった。歩いていると、GPSを持っているにも関わらず方向感覚がにぶり、うまく進むことができなかったので余計に時間もかかってしまったのが悔やまれる。経験が必要だ!アシスタントとしてついてきてくれた工藤さんも大変だったと思います。ありがとうございました

14・田中 綾 
AM5:30
 救助犬会場に行く前にユウジンに行き犬出し、準備
AM6:00
ユウジン出発
AM6:30
 千歳の会場に到着。会場は去年の試験と同じ会場で、出場者は浜川・リン、大沢・ジャック、中谷(大輔)・ブレス&バッキー、中谷(雅子)・ジェシー、沖・レイラ、葛西・ソラ、平野・ジョー、田中・シェパ、藤倉・パラ、菊池・ポン、太田・かずお、高野・ジュディの12組しかいなかった。去年から比べたらとても少なかった。そして、今年も審査員として山田先生がいらっしゃっていた。

 会場に到着してすぐに試験の準備を始めた。7時前に一年生が到着、到着してすぐヘルパーとして隠れるために男10人がハイエースとパジェロに乗ってそれぞれのエリアに向かった。

AM9:00
 そして、試験が始まった。田中・シェパ、高野・ジュディ、以外の出場者が捜索を開始した。ほかの人たちが捜索してる間炭をたいて発見の連絡がくるのを待った。1時間ほど過ぎた頃に発見の電話が入った。最初に発見したのは菊池・ポンだった。そのあとすぐに藤倉・パラからも発見の連絡が入った。

AM10:25頃
 田中・シェパ、高野・ジュディが捜索のため、それぞれ自分のエリアに入っていった。

私は葛西・ソラが捜索していたエリアを捜索することになった、アシスタントは一年生の加藤涼輔だった。風を考えて風下から入っていった。入って5分くらいしたら、シェパがちょっと引っ張り出したが、まだ曖昧だったのでそのまま進んでいった、所々鼻を上げて臭いを取っていた。15分ほど進んだところでまた立ち止まって鼻を上げ臭いをとっていて倒れていた大きな木の下をすごい勢いで嗅ぎ出して、リード手から離したところその後ろにヘルパーが隠れていた。そのとき風は斜め下から吹いていた。

AM10:50頃
発見!発見の電話をして、ヘルパーと共に本部へ戻った。誰よりも早く見つけてしまったため、もう一度午後から捜索に行くことになった。本部へ戻ってすぐにお昼ご飯を食べた。

PM12:30頃
 中谷・ブレス・バッキーがヘルパーを発見できなかったエリア10を3つに分け、藤倉・パラ、菊池・ポン、そして田中・シェパの発見が早かった三組で探すことになった。くじ引きで捜索エリアを決め、捜索エリアに向かって出発した。

エリア3つのうちヘルパーがいるのは1つのエリアだけでほかの2つは誰もいないところを探すことになったので、3人のうち1人が発見するまでずっと探し続けなければなかった。私は一番奥のエリアになった。入ってすぐにリードをはずして捜索を開始した、私のエリアは台風で木が沢山倒れていて、真っ直ぐに行こうと思っても木が邪魔で真っ直ぐに進めなかった。途中山菜取りのおばさん方に遭遇したのでリードを付けて、ちょっと離れてからまたリードを話して捜索した。

 私のエリアには誰もいなくて、捜索を始めてから1時間ほどした時に菊池・ポンが発見したので戻って来いという連絡が入って試験は終了した。途中雨が降っていたのでアシスタント共々ずぶ濡れだった。

PM1:50
最後に山田先生からの話で試験すべてが終わった。

まとめ
原野での捜索は一度したことがあったこともあり、授業でも練習していたので探し方や風のことなどをきちんと考えながら探すことが出来たが、運がよかったせいかヘルパーのいる場所へ一直線に行って30分もたたないうちに発見してしまったため、ちょっと心残りがあった。

GPSと救助犬 2003

北海道ボランティアドッグの会の、2003年秋の救助犬認定試験を11月3日、北海道千歳市郊外の原野で行いました。今年も、「災害」に対する試験は中止され、北海道での救助犬にとってより重要な、原野での捜索だけを行うこととしました。今年は昨年に引き続き、さらに実践的な状況を設定しました。

1 捜索エリア:現場は航空自衛隊、第2空団の敷地と道央道との間に広がる原野です。昨年と違って今年のエリアはほとんどが林で、見通しの悪い場所でした。エリアを10の区域にわけ、GPSで活用できるようにルートデータを作って、10個のGPSにあらかじめ転送しておきました。捜索エリアの面積の合計は、おおよそ220ヘクタールです。

試験エリア

捜索本部の位置は変更した
現場の地形図:山旅クラブのオンライン地図、国土地理院発行(1/25000)の地形図


全参加者の捜索跡

2 セミナー:試験の実施に当たって、GPSの講習会を何回か行いましたた。実際の捜索に当たっても、テストに当たってもGPSの使用は必須です。GPSには、習熟してもらう必要がありました。一通り、各機能について説明し、最低限の活用として、現在地の確認、次にマップ画面の理解とルートデータによるエリアの確認を重点的に講習しました。



使用したGPS

3 捜索本部:昨年の失敗から、今回は無線の使用は中止しました。連絡は携帯電話を使いました。今回は、北海道エコ・コミュニケーション専門学校の協力を得て、本部テントを建てることが出来ました。心配した雨も無く、風もそれほどではなく、概ね快適に作戦を行うことが出来ました。GPSデータの解析は、PCを2台使用して行いましたが、肝心のデスクとトップが、オンライン地図の使用制限で活用できませんでした。捜索本部では、各参加者からの連絡と、ヘルパーやサポーターからの連絡、それに基づく位置の確認と、人の配置、さらにGPSからデータを吸い出してPCに保存するなどの業務を行いました。今回、本部業務を行って改めて感じたのは、マネジメントの重要性です。今回は、10名のヘルパーと16名のサポーターを使いました。その配置や、各チームの配備の確認に若干追われました。

4 装備:今回は3時間に及ぶ作業となり、また、雨も予想され、必然的にそれに対応できるだけの装備は、参加者が用意したようです。

5 協力:今回は、会のメンバーのほかに、北海道エコ・コミュニケーション専門学校の協力を得、生徒26名と先生が一人、サポーターやヘルパー、本部業務などをお手伝いいただきました。今回はヘルパーの交代は行いませんでした。

捜索エリアヘルパーエリアの面積(ヘクタール)エリアの外周(メートル)
1守屋 貴志29.53,160
2藤倉 佑也22.32,704
3林下 幹18.01,721
4平川 晃司17.71,798
5西川 誠二18.32,388
6武岡 昌吾20.21,829
7菊地 祥弘18.41,691
8山崎 祐輝21.72,264
9中川原 祐樹34.52,849
10笹木 茜27.02,147
全エリアの面積227.6


6 審査:作業の評価は、GPSの軌跡データを利用した捜索経路と、ヘルパーやサポーターからの情報をもとに各作業を評価しました。
結果詳細

レポート

サポーターサポーターの報告捜索エリアヘルパーヘルパーコメント
1猪狩ハリー未発見谷 英里奈1守屋 貴志
2高橋ジョー発見山口 麻奈美2,30m手前で反応2藤倉 佑也良く吠える
3中村シャロン発見池内 朱美なかなか吠えず。ブルーシートが見えた3林下 幹吠えずになめた
4佐々木ナビタ発見北河 亜沙美ハンドラーが見つけ犬を連れて行く4平川 晃司吠える
5浜川フブキ発見高木 桃恵エリアを迷う。人が先に見つける。1回目近くを通るも発見できず。人が発見。近く時指示吠える。5西川 誠二人が見つけて犬を呼ぶ
6浜川リン発見高野 絵里奈かなり遠くで反応。犬が見えなくなる。良く吠える。4平川 晃司良く吠える
7小林ポン発見高野 絵里奈10mで反応6武岡 昌吾良く吠える
8中谷ヴレス・バッキー発見山村 菜美香すぐ近くを1回通る。すぐに吠えず。10mで反応7菊地 祥弘吠える
9沖レイラ発見太田 ゆかり10mで反応すぐ吠える8山崎 祐輝犬から吠える
10杉山クッキー・リサ発見堤 真由美吠えず9中川原 祐樹吠えず
11今野ジュディ未発見高橋 有里10笹木 茜
12葛西ソラ発見岩田 このみ10mで反応。吠える。7菊地 祥弘吠える
13佐藤シルフ・ウルフ1発見河口 里美近くで反応。吠える。6武岡 昌吾
14佐藤シルフ・ウルフ2未発見高橋 有里反応するも発見できず1守屋 貴志
15中村レオ発見太田 ゆかり10mで反応。吠えず。2藤倉 佑也吠えず。
16中谷ジェシー発見西野 由佳里人が見つける。5西川 誠二
17平野ムサシ1発見山村 菜美香20~30で反応。なかなか吠えず。6武岡 昌吾吠えず。人が来てから吠える。
18平野ムサシ2発見田中 綾犬が見つける。吠えず。5西川 誠二吠えず。
19林崎シェパ1発見河口 里美3林下 幹犬が見つける
20林崎シェパ2発見堤 真由美遠くから反応。良く吠える。10笹木 茜犬が見つける
21嘉瀬BJ発見片澤 ひろみしばらく吠えず。8山崎 祐輝犬、自ら吠える。
22宮本マック未発見木村 希望9中川原 祐樹
捜索本部
所要時間捜索距離開始時間終了時間合否捜索エリアの確認捜索ルートの選択犬の反応告知
1猪狩ハリー2:29:5949509:23:2911:53:28未発見良好やや過密
2高橋ジョー2:02:0343769:13:1211:15:15発見合格良好概ね良好良好良好
3中村シャロン2:34:5332599:13:0511:47:58発見合格やや手間取る概ね良好概ね良好今ひとつ
4佐々木ナビタ2:42:4760699:12:3111:55:18発見合格良好的確良くない
5浜川フブキ2:15:2171558:56:4211:12:03発見合格概ね良好概ね良好良くない
6浜川リン0:52:49341312:15:5113:08:40発見合格的確的確良好良好
7小林ポン2:08:3360039:04:4111:13:14発見合格良好的確良好良好
8中谷ヴレス・バッキー1:47:4251118:57:4610:45:28発見合格概ね良好概ね良好概ね良好今ひとつ
9沖レイラ1:59:1551568:46:3110:45:46発見合格良好的確良好良好
10杉山クッキー・リサ2:15:4872178:41:3210:57:20発見合格概ね良好やや荒い良好無し
11今野ジュディ2:43:3084668:30:1311:13:43未発見良好概ね良好概ね良好発見できず
12葛西ソラ1:32:17420911:03:4912:36:06発見合格概ね良好概ね良好概ね良好良好
13佐藤シルフ・ウルフ10:12:0255011:31:0211:43:04発見合格良好良好概ね良好良好
14佐藤シルフ・ウルフ22:37:58784212:14:1814:52:16未発見概ね良好概ね良好今ひとつ発見できず
15中村レオ1:15:13374411:40:5612:56:09発見合格良好良好良好無し
16中谷ジェシー2:14:29710211:31:1013:45:39発見合格今ひとつあまり良くない無し無し
17平野ムサシ10:45:41159312:13:3912:59:20発見合格概ね良好概ね良好良好無し
18平野ムサシ21:00:59335514:04:3715:05:36発見合格概ね良好概ね良好良好無し
19林崎シェパ10:41:34137712:09:4412:51:18発見合格概ね良好今ひとつ良好良好
20林崎シェパ21:12:28266413:01:0914:13:37発見合格良くない今ひとつ良好良好
21嘉瀬BJ2:03:27459510:59:2413:02:51発見合格概ね良好概ね良好良好今ひとつ
22宮本マック2:44:20805911:09:1913:53:39未発見概ね良好概ね良好無し発見できず

結果詳細

レポート


発見咆哮 第10エリア


8 総括:午前中に投入した10チームのうち、発見出来たのは8チームもありました。予想していたよりはるかに良い成績でした。正直言って、やりだす前は、エリアの広さや現場の状況から、探し出せないかも知れないという気もしていました。8時半に最初のチームを投入してから、おおよそ2時間後の10時25分、発見の最初の一報が中谷チームから入りました。それを機に続々と発見のほうが飛び込んできました。この2時間は長かった。
現場は確かに、現実よりは条件が良いと思います。しかし、今回の試験が現実に近づく大きな一歩となったと思います。昨年、岡山で幼い姉妹二人の行方不明事件が起こりました。遺体が発見されたのは、姉妹の実家から1.5kmの地点です。われわれの目標は、そのときの状況に対応できることです。昨年に引き続き今年の試験も、平地で行いました。残された最大の課題は、高低差のある地形にどう対応していくかだと思います。今回の試験で私は、そのヒントを得ることが出来ました。次回の試験に活用したいと思います。


GPSのデータログの吸出しには、DAN杉本氏作のカシミール3Dを使用しました。また、2万5千分の一の地形図は、山旅倶楽部 のオンライン地図を利用しました。カシミール3Dは非常に秀逸なソフトです。

結果詳細

レポート

gPSと救助犬 2002 2

福士アダロ

図は第4班で第1エリアを担当した福士アダロチームの、13時15分から14時15分までの捜索の状況。非常に狭いエリアしか探していない。第1ヘルパーに反応できるところまで行っていない。

西川カール

第5班で第1エリアを担当した西川カールの捜索状況。現場の原野は、原野の中に縦横に荒れた道路が走っている。その道路に沿ってハンドラーが移動しているのが分かる。担当エリアをほど全域捜索し、第1ヘルパーを発見している。見事な作業である。

佐藤シルフ

第2班第2エリア担当佐藤シルフの状況。第2ヘルパー発見後の経路しか、データが残っていないが、出発から北に向かい風的に有利な北側の縁を歩いたようだ。

広内リン

第3班第2エリア、広内リンの捜索状況。11時39分から12時45分。かなり近くまで行ってはいるが、未発見。

中谷ヴレス

図は4班の第2エリアに入った中谷ヴレスチームの捜索の状況を示している。活動時間は13時21分から14時34分まで。このチームはヘルパー未発見だが、ヘルパーのかなり近くまで何回も行っているのが分かる。また、指定された捜索エリアの半分程度しか捜索していない。

今野ジュディ

第5班、第2エリアを担当した今野ジュディチームの軌跡。第4ヘルパーのすぐ近くを通っているが、未発見で終わっている。このチームは14時35分から15時25分まで作業した。また、15時4分に、第2ヘルパーのすぐ近くも通っている。このときも発見できなかった。ハンドラーからの話によると反応はあったそうである。反応のあった個所を重点的に探すハンドラーの状況判断が必要。

石沢ナビタ

第3班第3エリア、石沢ナビタ。11時35分から12時45分。非常に良い捜索経路のように見えるが、中央のルートは帰りに通っている。したがって、常に追い風の中で作業をしている。そのためか3人に対して反応できる位置まで行っているにもかかわらず発見出来たのは、捜索開始早々の第4ヘルパー(図中央の顔アイコン)だけ、しかも、このヘルパーは別エリア。

中村レオ

図は13時22分から14時28分まで第3エリアで活動した第4班中村レオチームの捜索状況。一番右のヘルパー(第3ヘルパー)を発見している。一旦、風下まで行ってからの作業開始は、大変良い状況判断である。第4班と第5班の作業時には、第5ヘルパーを省略した。したがって図の右から二番目のヘルパーは入っていない。後半、捜索範囲が、狭くなった。この部分横に広がっていれば、第4ヘルパーを発見できただろう。惜しい。

中村シャロン

5班で第3エリアに入った中村シャロンチーム。このチームは第3ヘルパーを発見している。しかし、やはり未捜索エリアがかなり残されている。

8 総括:作業時間は1時間。この1時間が10分程度に感じられたというハンドラーが多かった。より長い時間、より広い区域での作業が望ましい。そしてその作業でのノウハウは、実際の作業でのノウハウに直結するだろう。従来、救助犬試験は犬の捜索能力の評価に主眼を置いていた。

今回の我々が行った試験は、犬の能力の判定には主眼を置いてない。救助犬の能力の判定だけなら、これほど広いエリアや長い時間は必要ないだろう。それにもかかわらず、救助犬としての能力の判定は、ほぼ正確に出来たと思う。我々は実際の活動において、何が必要なのかを明らかにしたかった。その目的はほぼ達成されたと思う。ヘルパー発見チームをすべて合格とします。

GPSと救助犬 2002

北海道ボランティアドッグの会の、2002年秋の救助犬認定試験が11月3日、北海道ウトナイ湖畔の原野で行われた。今年は、「災害」に対する試験は中止され、北海道での救助犬にとってより重要な、原野での捜索だけを行うこととした。これに伴ない、これまでに無い思い切った状況を想定した。

1 捜索エリア:現場はウトナイ湖と国道36号線、日高自動車道、JR線路に囲まれた幅約300メートル、長さ約2キロのほぼ四角形のエリア。このエリアを三つに分けた。第1エリア0.185平方キロ、第2エリア0.233平方キロ、第3エリア0.25平方キロの広さがある。第3エリア0.25平方キロは、およそ500メートル四方の広さとなる。

試験エリア

現場の地形図(1/25000):顔のアイコンはヘルパーの位置をあらわしている。
helper1:北緯42度41分29秒  東経141度41分45秒2
helper2:北緯42度41分15秒7 東経141度42分13秒9
helper3:北緯42度40分51秒9 東経141度42分47秒6
helper4:北緯42度41分06秒5 東経141度42分27秒4
helper5:北緯42度41分02秒3 東経141度42分36秒6


2 遭難状況:設定は上記捜索エリア内にて5名の人間が行方不明になったと想定した。捜索には上記のようにエリアを決めて、3チームを同時に投入した。試験なので制限時間は1時間。エリア全体に5名のヘルパーを隠した。どのエリアに何名いるかは、ハンドラーに通知しない。ただし、全体で5名のヘルパーが発見された時点で作業は中止してよいとした。受験者は15チーム。これを3チームずつ5班に分けた。残念ながら5名を発見できた班は無かった。

3 捜索本部:当日は非常に風が強く、残念ながらテントを建てる事が出来なかった。しかも用意したハンディ無線があまり届かず、仕方なく捜索本部はエリア2の端にワゴン車をおいて捜索本部とした。捜索本部にはノート型のPCを用意し、サポーターから寄せられた情報を元にハンドラーの位置を確定した。今後、捜索本部にはモービル形の無線機が必須となるだろう。また、今回はノート型パソコンを使ったが、これも操作性などの面からデスクトップ型のコンピューターとADSL回線でインターネットにつなぎたい。インターネットからはリアルタイムに地図情報を得る事が出来る。ハンディ型の無線機は思ったほど届かず、連絡には携帯電話がしばしば役に立った。

4 装備:ハンドラーにはディパック。水、非常食、雨具は最低限用意していただいた。実際の活動に、これらは必須だろう。さらに、今回はサポーターに持ってもらったが、GPSと無線機、携帯電話なども必須だろう。ヘルパー発見時の連絡は、サポーターに任せずハンドラー自らが行うことを要求した。実際の活動にあたっては、位置の確認と連絡こそが重要である。

5 サポート:今回は、北海道ハイテクの生徒13名が、ボランティアで手伝ってくれた。5名を交代でヘルパー、3名をサポーターとしてハンドラーに一人ずつついてもらった。サポーターには15分おきに現在位置を連絡させた。

6 審査:作業は犬の安全管理とハンドラーの安全管理を主題とした。いくら捜索能力が高くても、犬の行方がわからなくては、ハンドラーは遭難者の捜索どころではなくなる。ハンドラーの安全管理にとって最大の課題は、自身の現在位置の確認である。それは捜索エリアの掌握になって現れる。現場の状況の把握、GPSの活用などがハンドラーに求められる。

チーム名がそのチームの捜索状況にリンクされています

エリアチーム名サポーター発見
第1班1松本オコジョ葛西未発見
9:20~10:202平野ムサシ伊藤第2,第4
3今野ブッチャ堀口第4
第2班1石沢エーリン荒怜第1
10:30:~11:302佐藤シルフ菅原第2
3松本ボナンザ佐孝第3
第3班1浜川ふぶき沢井未発見
11:30~12:302広内リン堀口未発見
3石沢ナビタ葛西第4
第4班1福士アダロ伊藤未発見
13:15~14:152中谷ヴレス石沢未発見
3中村レオ小池第3
第5班1西川カール澤野第1
14:30~15:302今野ジュディ葛西未発見
3中村シャロン堀口第3
発見されたヘルパーの回数第1ヘルパー第2ヘルパー第3ヘルパー第4ヘルパー第5ヘルパー合計
2233010
班ごとの発見者第1班第2班第3班第4班第5班合計
第1エリア010012
第2エリア210003
第3エリア111115
合計2311210

第1班の第2エリアと第3エリアは、第2エリア内の同じヘルパーを発見した。
8 総括:作業時間は1時間。この1時間が10分程度に感じられたというハンドラーが多かった。より長い時間、より広い区域での作業が望ましい。そしてその作業でのノウハウは、実際の作業でのノウハウに直結するだろう。
従来、救助犬試験は犬の捜索能力の評価に主眼を置いていた。今回の我々が行った試験は、犬の能力の判定には主眼を置いてない。救助犬の能力の判定だけなら、これほど広いエリアや長い時間は必要ないだろう。それにもかかわらず、救助犬としての能力の判定は、ほぼ正確に出来たと思う。我々は実際の活動において、何が必要なのかを明らかにしたかった。その目的はほぼ達成されたと思う。

使用したGPSは、GARMINのetrex、summitが2台とvistaが1台。今回は位置の確認だけなのでsummitやvistaまでは必要なかったが、今後ナビゲーションなどに利用する上で、これらの機種を使用することにした。メモリーの容量の関係からか、vistaは大丈夫だったが、summitの方は、はじめに作業した2チームほどのデータログが消えてしまった。

GPSのデータログの吸出しには、DAN杉本氏作のカシミール3Dを使用した。また、2万5千分の一の地形図は、山旅倶楽部 のインターネット常時接続の地図を利用した。カシミール3Dは非常に秀逸なソフトである。

試験終了

雪崩救助犬試験 1999

ブッチャ

99年冬季救助犬認定審査会 結果報告

今年は3月21日、比較的遅い次期にも関わらず、豊富な雪の元札幌のばんけいスキー場で開催しました。STVの取材を受け、撮影を兼ねての審査会で出場者には色々ご迷惑をおかけしました。当日は終日冷え込み、前日までの暖気で融けていた雪が凍って非常に固くなり、ヘルパーを埋めたり出したりが大変困難でした。この固い雪の影響で、臭いが漏れ易くなり「反応」の面からはイージーに、しかし臭気源の「特定」の面では、犬が(特に非力な犬が)掘りにくくハードな条件となりました。

認定試験の会場に関して、より現場に近い状況が本当は欲しいところです。ブルドーザーで雪を押して山を作ると、押しやられた雪が作り出す斜面は非常に現場に近い状況かと思われます。排雪場の斜面は、認定試験の会場にふさわしいものですが、現実的な利用は難しいようです。試験翌日、昨年度会場だったアリスファームを訪れましたが圧倒的な積雪があり、ブルドーザーを入れる事さえ出来れば、理想的な会場を作り出すことが出来そうでした。ブルドーザーとなると経済的な問題もありますが、次回は是非実現させたいものです。

もう一つの課題は、次の審査の為に会場を整備することです。1頭の犬の審査が終了した時点でその犬が捜索作業のために荒らした現場を、次の犬の審査に備えて復元することはかなりの労力が必要です。今回、参加者が交互に行いましたが、出来ればその為だけの要員を確保したいところです。

冬季認定試験は「雪崩」を想定しており、実際に運用を考えた場合、救助犬として活動を要求されることは先ず無いと思われます。しかし冬季救助犬としてのトレーニングは、救助犬自体の能力向上には非常に効果的です。また冬の北海道独自の有効なトレーニングであり、トレーニングには寒さや多くの労働を要求されるなど困難な面もありますが、続けて行きたいと思います。

今回審査は昨年に続いて名古屋の山田氏、ヘルパーは北海道ハイテクノロジー専門学校の生徒の皆さん、会場での暖は牧さんのお世話になりました。寒い中一日中お手伝いいただき、誠にありがとうございました。参加者の皆さんもご苦労様でした。なお、審査終了後札幌市内にて懇親会を兼ねて反省会を行い中から体を暖めました。

第1回セラピードッグ認定試験

セラピー認定試験について

このところ、少しずつ知られるようになったものにセラピー犬があります。犬との接触が、人の血圧を安定させるなどの病理的効果や、精神的なケアには時として顕著な効果を上げることが知られてきており、施設などの慰問を通じて、痴呆症の予防や治療に効果を上げております。セラピー犬にはこの様な効果がありますが、このように書くとあたかもセラピー犬が老人と接触させるだけで魔法のように老人を治すように受け取られるかもしれませんが、決してそうではありません。そのような効果もないわけではありませんが、そのセラピードッグを連れて老人と対応する、その犬のハンドラーの働きが重要です。「おばあちゃん元気?」「変わり無かった?」ハンドラーは、犬を代弁するように老人との対話を作ります。この対話での心のふれ合いが、とかく、閉鎖的になりがちな老人の社会性を向上させたり、社会とのつながりを保ちます。じゃ、ハンドラーだけでよいのではないかと思いますが、人には、なかなか心を開きません。ここにセラピードッグの存在意義があります。そして、慰問を心から喜ぶ、老人の笑顔や、慰問に涙する姿は、そのセラピー犬のハンドラーの大きな心の支えとなります。

このセラピー犬の認定試験を北海道ではじめて行いました。(あるいは、日本ではじめてかも知れません。)会員以外には案内を出してないにもかかわらず、40頭もの参加申込を得ました。昨年行った救助犬の認定試験が、訓練士にハッパをかけて20頭弱だったのと較べますと、予想外の数で、セラピードッグに対する関心の高さをうかがわせます。同時に一般愛犬家が求めているものが、今どこにあるのかも考えさせられました。参加者の顔ぶれは極めて新鮮です。ドッグショーや訓練競技、あるいはアジリティーなどのドッグスポーツでいつも目にする顔ぶれとは全く違います。別の層です。この層にかなりの数の愛犬が埋もれていることでしょう。愛犬団体もこれらの人々の救済にそろそろ本腰を入れる時期が来たのではないでしょうか。

さて、試験の様相です。「セラピー犬にとって最も重要なことは何か?」この試験のテーマでした。それは、いかなる場合であっても、肉体的あるいは精神的なダメージを対象とする人々に一切与えないということです。せっかく心を開いて接触に応じた人に対して、犬が敵対的な態度をとっては致命的な障害を与えかねません。テストは「A犬体検査」「B対人性のテスト」「Cマナーテスト」の三つにわけて行いましたが、すべてのテストの過程を通して「咬む、うなる、吠え出す」事があった場合は、即時中止としました。

「A犬体検査」は、人間に対する衛生的な影響を中心にテストしました。1「清潔」良く手入れされているか。排泄物などの付着はないか。2「臭気」体臭、口臭、耳。3「手入れ」抜け毛の有無。4「外部寄生虫」ノミ、シラミ、皮膚病。5「内部寄生虫」検便サンプリングです。詳細は省きますが、顕著な問題を持った犬はいませんでした。この検査では、その過程で犬の体に対する執拗な接触を伴いますので、次の「B対人性のテスト」の一部はこの検査を持って省略しました。

「B対人性のテスト」は、実際に起きるであろう事態をシュミレーションして、犬の反応を検査しました。但し検査は、犬に悪影響を残すおそれのない範囲にとどめられます。1「全身に対するスキンシップ」見知らぬ人が犬の体を触る。耳を軽くつかむ。口の中に指を入れる。尾および足を軽く踏む。(A犬体検査時に行った。)2「強い、又は不器用な撫で方に対する反応」犬の体を揺する。犬の背を強く撫でる。3「束縛に対する反応」犬を抱きしめる。あるいは抱え込む。4「車椅子の接近」声を出したり、モーションを使って、充分に意識づけながら車椅子で犬に接近する。車椅子には老人を模した人が乗る。(Cマナーテスト時に行った。)5「威嚇的な叫びに対する反応」ある程度離れた距離で、威嚇的なモーションを伴って大きな声を出す。6「背面からのぶつかりに対する反応」犬に分からないように背面から接近し、軽くぶつかる。7「多人数から撫でられたときの反応」3人以上で友好的に犬を撫でる。8「飼い主からの別離」ハンドラーの見えない位置まで見知らぬ人が犬を連れていく。もしくは見知らぬ人にリードを預けて、ハンドラーが犬の視界から消える。(Cマナーテスト時に行った。)「A犬体検査」「B対人性のテスト」を通じて中止となった犬は1頭でした。

「Cマナーテスト」(テストは紐付き)は、犬の持つ潜在的な攻撃性についての評価を得ることを中心として行いました。上記の二つのテストで問題無しとされた犬が、このテストで2頭、不適格と判定されましたので、それはある程度は効果があったと思われます。が、同時に評価しきれない犬も2頭出ました。その2頭は再検査としましたが、検査方法についてはさらに考慮の余地があるようです。

犬の持つ潜在的な攻撃性をどう評価するか、それは潜在的な攻撃性をどう引き出すかということです。これについては先ず、本質検査というテストを行いました。この検査を行うには、犬に対する充分な理解が要求されます。恐らく熟練した犬の訓練士しか出来ないでしょう。例えば、ある程度攻撃性のある犬でも、人混みの中に入れられたり、不慣れな環境では、人に対する意識が、散漫になるためか攻撃性は発現しません。本質検査では、一つの閉ざされた区域の中にハンドラーと犬を隔離して一定時間置き、ハンドラーと犬が一つの空間を占拠するという状況を設定しました。

そこにハンドラーと犬しかいないということを犬が意識された頃、その空間に試験官が侵入します。試験官は、犬の意識を充分に自分に集めてから「恐る恐る」という態度で、接近や停止、後ずさりを充分な間を持って繰り返します。ただし、一定の距離以上には犬に近づきません。犬の警戒心を刺激して防衛訓練をはじめる、初期の段階のような動きです。警戒心の強い犬なら、恐らく吠えるでしょう。また、警戒心の少ない犬も、「怪訝」な気持ちを抱くことでしょう。その「怪訝」な気持ちが生じたところで試験官は、犬を触れるところまで接近します。この瞬間に、犬の本質は極めて顕著に現れます。試験官を抵抗無く受け入れる犬。喜ぶ犬。後ずさりする犬。不安そうに嗅ぐ犬。うなり、ハンドラーの後ろに隠れる犬。無関心の犬。端的に言って三つに別れたようです。「逃げる(避ける)」「無視(無関心)」「友好的」です。

次に行った「車椅子での接近」も同じ手法を用いました。ただし、車椅子の場合に問題とされるのは、対人性ではなく車椅子という「物体」に対する反応です。車椅子の接近では、最終段階では車椅子上の人間は犬に声をかけるようにして、刺激をやわらげます。人よりも車椅子の方に不安を示す犬が、2、3いました。

本質検査では、「人類」に対する犬の裸の気持ちが出たように思います。いわゆる「根(ね)」です。これは、マナーテストの最後に行われた「別離のテスト」でも現れました。主人がいなくなり不安を示すもの、そばにいる試験官に依存しようとする犬。すべてが眼中から無くなり鳴き出す犬。静かに待つ犬。主人の不在を気にしつつも試験官の接触に対応できる犬、、、

今回時間の都合で、若干しかテストできませんでしたが、オーナーの車の中とか馴れたゲージの中、すなわちテリトリー内における犬の態度はもう少しみたい気がしました。3つのテストで問題の無かった犬1頭を、ゲージの中であまりに攻撃的なため不適格としました

 セラピー犬にとって「咬む、唸る、吠え出す」事は絶対あってはいけないことです。そしてそれらは、充分なしつけや訓練によって得られるかも知れません。しかし、もう一歩進んで、「人」そのものに対する友好性、見知らぬ人であっても喜ぶ気持ち、となると犬の本質的なもののような気がします。「咬む、唸る、吠え出す」事はあってはなりませんが、それだけで本当にセラピー犬としてふさわしいと言えるか。更に誰に対してもフレンドリーな気持ちを持てること、これが大切ではないかという気が、今回のテストを通じて私はしました。施設の慰問に際しては、犬に相当のストレスがかかりますが、その点からも根っから人に対してフレンドリーな犬の方がセラピー犬には向くような気がしました。

「Cマナーテスト」の内容。1「歩行」ハンドラーと一緒に、人のいる屋内を静かに歩く。2「服従」スワレ、フセ、および3分間の休止(ハンドラーは犬の見えないところに行く)。3「犬に対する態度」他の犬に対する態度。4「品性検査」警戒心と判断力の検査。

北海道ボランティアドッグの会


北海道ボランティアドッグの会 設立総会

北海道ボランティアドッグの会 設立総会議事録

とき  平成八年9月23日(月)秋分の日 午前10時から午後0時
ところ 「光と風の里」(恵庭市)体育館

出席者 柳生 昌男、松本 義一、植田 文子、広内 正彦、新倉 弥生、吉住 憲広、三田 哲也、清水 磨理、小山 信雄、椋野 輝之、本多 弘幸、浅岡 賢一、大沼 由二、田中 哲夫、山口 史雄、後藤 丈嗣、北 孝、長谷川 智子、大沢 久枝、米田 英二、前山 鉄幸、嘉瀬 雄平、岩間 信吉、笛田 玲子、寺田 時雄、中川 洋治、兼古 悟、村上 広美、中村 紀子 以上29名。
委任状参加者 林 昌子、藤田 恵子、湊 毅、佐藤 芳子、田中 路子、後藤 篤雄、米田 英二、田村 大助、古田 かおり、加藤 辰也、秋本 勝美、高田 雄二、松本 克生、庄司 幸一、大久保 紀美子、玉木 祥夫、五十嵐 作雄、小野寺 里絵、鈴木 ゆり、佐々木 政太郎、池戸 一、野沢 利秋 以上22名。
オブザーバー 山田 三郎(救助犬審査員)
設立総会時会員数62名 出席者29名、委任状出席者22名合計51名 総会成立。

総会経緯
1・開会宣言 発起人代表 柳生 昌男が開会を宣言する。
2・議長選出 指名により柳生 昌男が議長となる。
3・議事録署名人選出 議長一任により植田 文子、広内 正彦を選出する。
4・議案についての審議

定款の承認 第6条 「本会の入会に際しては、理事の推薦もしくは理事会の承認を必要とする。」が「本会の入会に際しては、理事会の承認を必要とする。」に修正される。第10条「正会員は、その名称、住所などに変更があった場合は、速やかに本会にその旨を届けなければならない。」が、「正会員は、その氏名、住所などに変更があった場合は、速やかに本会にその旨を届けなければならない。」に修正される。その他の項目については草案通りに承認される。

役員選出 推薦により、以下の者が役員に選出され、承認される。
理事  柳生 昌男、松本 義一、広内 正彦、新倉 弥生、秋本 勝美、高田 雄二、兼古 悟、天内 満雄、小山 信雄、大沼 由二、牧 十郎、
前山 鉄幸、椋野 輝之 以上13名
監事  本多 弘幸、大沢 久枝、北 孝 以上3名
会計  植田 文子
編集局 三田 哲也
事務局 柳生 昌男

事業計画 予算案
1 セラピードッグ登録・・・至急登録を実施する。その詳細はサラピードッグ委員会に一任される。
2 救助犬認定試験の開催・・・日時11月3日4日開催にむけて準備する。詳細は救助犬委員会に一任。
3 会報の発行・・・承認される。
4 会員、ハンドラーの保険・・・承認される。
会の案内誌の作成・・・早急に作成のこと承認される。
捨て犬の保護をする活動をしてはどうかという提案がされる。活動範囲が広くなり過ぎると言うことで見送り。
予算案が草案通りに承認される。
5 オブザーバー挨拶 山田 三郎氏から救助犬認定試験の実施要領及び必要な訓練が紹介される。 設立総会閉会